ヴィーガン/ベジタリアンメニューを開発できる日本人シェフは採用できる?
1. 世界のヴィーガン/ベジタリアンに注目される日本料理
The World’s 50 Best Restaurants 2017で1位に選出され、ミシュランガイドにおいて3つ星を獲得しているNYのフレンチレストランEleven Madison Park。このお店、2021年6月からヴィーガンレストランに業態変更し、業界の話題になったことを覚えていらっしゃる方も多いかと思いますが、業態変更するにあたり、日本人シェフのアドバイスのもと、日本の仏教とともに発展した精進料理の考えや食材が多く取り入れていることをご存じでしょうか。
元々日本料理は、豆腐や醤油、味噌など植物性食材が多く、フレンチのフルコースの平均が2500キロカロリーに対し、日本の懐石料理は1000キロカロリー程度と言われており、ヘルシーなイメージで健康志向の食通を魅了してきました。
日本料理のベースとなる出汁も、動物性食材である鰹節の代わりに昆布やシイタケ、野菜だしなどで代用が可能でき、日本料理の筆頭とでもいうべきお寿司も、魚介類の代わりにアボカド、湯葉、煮シイタケ、かんぴょう、アスパラガス、パプリカ、ナス、芽ネギ、油揚げなどを使うことで代用が可能です。さらには、タピオカでんぷんなどをベースにしたヴィーガン・サーモンやヴィーガン・マグロなどの食材がロンドンで流行り始めており、ここ10年程の間で、ヴィーガン/ベジタリアン向けの日本料理に注目が集まっています。
2. 日本国内におけるヴィーガン/ベジタリアンメニュー
ご存じの方も多いかと思いますが、日本ではもともと仏教の教えをベースに、米を主食とし、野菜を食べ、魚介類も食べるが畜肉は食べないというペスコベジタリアンが主流で、欧米文化が入ってきたこの150年の間に食文化が変わり、肉を食べるようになりました。
ここ数年はSDGsへの注目や、健康志向の方が増えたこと、また、訪日する外国人からのリクエストなどもあり、日本でもヴィーガン/ベジタリアンメニューに取り組むレストランが増えてきています。
仏教の修行に専念するための食事として発達した精進料理は、その代表例で、素朴でシンプルなベジタリアン料理として国内外から今、注目を浴びています。ミシュランガイドでもShojinというカテゴリーが作られており、東京の醍醐が2つ星、京都の篩月(しげつ)がビブグルマンを獲得しています。
(ミシュランガイドに掲載されている日本料理についてはコチラの記事をご参照ください)
2021年のトリップアドバイザージャパンの高級店部門で最優秀賞を受賞した、東京の「伊勢すえよし」では、ヴィーガン懐石メニューを用意し、お客様が安心して食べれるように食材ひとつひとつを丁寧に説明することで人気を博しています。
また、世界中のヴィーガン/ベジタリアンが利用するレストラン情報サイト「Happycow」の「ベスト・ヴィーガン・レストラン」では、東京のSaidoが世界1位を獲得しており、ベジタリアン向けのウナギ蒲焼風料理(豆腐と根菜をベースに皮を海苔で表現)が人気メニューとなっています。
在日外国人のベジタリアンに絶大な人気を誇る東京のレストラン、T’s Tantanでは、野菜と大豆ミートや豆乳など植物性の食材だけで作ったべジ担々麺が人気を博しており、ベジタリアンではないラーメン好きからも高い評価を受けています。
2021年からは日本のAzuma Foodsという会社が、コンニャクを主原料とした「サーモン」「マグロ」「イカ」の代替商品を販売しており、日本独自のコンニャクという里芋に似た植物も、今後世界のヴィーガン/ベジタリアンメニューのトレンドになるかもしれません。
コロナウィルス感染の拡大とともに多くの外国人が入国できなかったこの2~3年だけでも、日本のベジタリアン料理は大きく進化しているのです。
3. ヴィーガン/ベジタリアンメニューを開発できる日本人シェフは採用できる?
近年、ヴィーガン/ベジタリアン対応のレストランは増えているものの、まだ日本のベジタリアン人口は全体の3%程度と考えられており、べジメニューに特化した日本人シェフの採用はハードルが高いと言わざるを得ません。
一方、元々日本料理は植物性食材が多いこともあり、日本料理の基礎を学んでいる料理人にとって、植物性食材だけでメニュー開発をすることは決して難しいことではないと言えます。外国人観光客の多い都市部や観光地の日本料理店で働いた経験のあるシェフであれば、ベジタリアン向けのメニューの調理経験がある方は多いはずです。
今後、ヴィーガン/ベジタリアン向けの日本料理メニューの開発ができる日本人シェフを採用したいとお考えの方は、幅広い人材のネットワークを持つ和食エージェントにぜひお声がけください。
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