日本人シェフの採用前に知っておきたい、日本料理のカテゴリー

日本料理と言えば寿司、天ぷら、ラーメン、焼鳥などが代表的な料理として挙げられると思います。ここで注意して頂きたいのは、日本人シェフであればこれらの日本料理すべてが作れるわけではない、という点です。

日本では各料理の専門店化が進み、鮨店では寿司、ラーメン店ではラーメンのみが提供されることが一般的です。もちろん大衆的な食堂や居酒屋などでは器用なシェフにより、寿司や刺身、天ぷらや焼鳥など幅広いメニューが提供されていますが、居酒屋で提供される焼鳥と焼鳥専門店で提供される焼鳥を比べると、やはり専門店の方が美味しいことが多いのが実情です。

幅広いメニューが作れるゼネラリストだと思っていたら、寿司に特化したスペシャリストだった、というような採用後のミスマッチを防ぐためにも、日本料理のカテゴリーの種類とそのカテゴリーのシェフがどんな料理を作ることを期待できるのか、この記事で説明させて頂きます。

1. 和食とは?

日本の自然に育まれてきた魚や野菜などの食材が伝統的な方法で調理され、食材や器のプレゼンテーションに季節が感じられる料理の総称が和食です。「伝統的な日本料理=和食」と考えてもられば、間違いはありません。

一般的に和食経験者と呼ばれるシェフは、切る(刺身)、煮る、焼く、蒸す、揚げる、といった日本料理の調理方法すべてを経験している方も多く、和食以外の料理にも応用が効くスキルを身に付けている方が多いと言えます。

2. 懐石料理とは?

懐石料理とは、旬の日本の食材を使い、素材の持ち味を活かしながら客人をもてなす料理の事を指し、一品一品に季節感の感じられるコース料理で提供されます。

懐石シェフの修行は食材の下処理からスタートし、八寸場(季節感のある前菜)、焼き場(魚や肉を焼く)、揚げ場(天ぷらなどを揚げる)、蒸し場(茶碗蒸しなど)、煮方(煮物やコース全体の味付け)を経て、お客様の前で調理する(刺身など)の板場の担当となります。板場まで経験している懐石シェフは、和食シェフと同様、日本料理のすべての調理方法を経験しており、コース料理の提供にも慣れている点で、重宝されることが多いと言えます。

3. 寿司とは?

19世紀の東京で屋台で食べるストリートフードとしてスタートした寿司は冷蔵庫の普及とともに日本の国民食となりました。寿司店でも寿司以外のメニューを提供するお店はありますが、あくまでも寿司の専門店ですので、寿司店勤務が長い方を採用する時には、どのような料理経験があるか確認しておくことをお薦めします。

4. 鉄板焼きとは?

鉄板で野菜や肉、魚介類などを焼いて食べる料理が鉄板焼きです。シェフが鉄板の前でリズミカルに動きステーキを焼くパフォーマンスが話題となったBENIHANAなどが鉄板焼きブームの走りとなり、日本国内、そして海外でも多くの鉄板焼き店が誕生しました。

鉄板焼き店のカウンターの調理経験のあるシェフは、お客様を喜ばすパフォーマンスやコミュニケーション能力に長けている方が多いと言えます。

5. 居酒屋とは?

お酒を飲みながら食事を楽しむことを目的としたカジュアルなレストランが居酒屋です。

お店によってメニューは異なりますが、寿司、天ぷら、焼鳥などの人気メニューを一通り揃えているお店も多く、小規模の個人経営店では、シェフ1~2名がすべての調理を担当します。一方、チェーン店ではセントラルキッチンですでに加工された食材を仕入れ、ただ盛り付けるだけ、というお店もあります。

居酒屋での勤務経験があるシェフを採用する場合は、お店の規模や、調理の行程、お店のメニューなども確認することをお薦めします。

6. ラーメンとは?

寿司と並ぶ日本の国民食でマーケット規模も大きく、チェーン展開するとミリオネアも夢ではないため、元サラリーマンのラーメン好きから、異業種のシェフまで日々新規参入し競争にさらされるのがラーメン業界です。開業から3年後に残っているのは30%以下、と言われています。

日本のラーメン店の多くはラーメンだけに特化しており、サイドメニューとして餃子が出される程度ですが、ラーメンシェフには居酒屋や和食、フレンチレストランなどからの転職組もいますので、これまでの経験からどんなメニューに対応できるかは採用時に確認してみるといいでしょう。

7. 焼鳥とは?

鶏肉の様々な部位を一口大にして、串に刺して火で焼いた料理が焼鳥です。いわゆる居酒屋で焼鳥をメインに出すような大衆的なお店が一般的ですが、備長炭や地鶏を使った高級志向の焼鳥店もあります。

寿司職人が「飯炊き3年、握り8年」と言われるのに対し、焼鳥の職人は「串うち3年、焼き一生」と言われます。串に刺す鶏肉が均一に焼けるように刺す技術を習得するのに3年、火加減や煙を調節しながら美味しく焼き上げる技術を習得するのには一生の努力が必要とされる奥深い世界です。

8. 焼肉とは?

いわゆる韓国式BBQが日本で独自に発展した料理が焼肉です。注文された肉をお客様自身が焼くため、キッチンで仕込むことはあまりないように思われますが、高級な牛肉の部位を余すことなく商品にするための知識や包丁の技術、食欲をそそる肉のプレゼンテーション、牛肉を使った創作料理の開発などのスキルが必要となります。

日本料理は料理のカテゴリーに応じてそれぞれのスキルが必要となります。この記事の情報をもとにひとつの料理に特化したスペシャリストを採用したいのか、幅広い料理に対応できるゼネラリストを採用したいのか、検討してみてください。

9. 採用に困ったら?

「日本人寿司職人に向けた自分の店のアピールポイントが分からない」
「こんな人材採用したいのですが、どうやっていいかわからない」
「以前自分たちで採用活動して失敗したので、今回は人材会社で本当に良い寿司職人を見つけてほしい」
「日本語ができるスタッフがいないので、日本人採用業務を丸投げしたい」

など採用に困りごとがありましたら、和食エージェントにまでお気軽にご相談ください。

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