日本料理店開店において、日本人料理長の採用のタイミングはいつがいいのか?

新しく日本料理店をオープンするにあたり、レストランオーナーや人事担当者から「いつから日本人料理長の求人をスタートするべきか」という質問を多く頂きます。

採用が先に決まったものの人件費だけが出ていくのももったいないが、お店の準備が整ったものの候補者が見つからずに開業できないという事態も避けたい。こんな悩みを抱えている方にぜひ読んで頂きたい記事です。

1. 求人スタートから勤務開始までどのくらいかかる?

求人スタートから勤務開始までの流れとスケジュール

日本人料理長の求人方法は、雑誌やインターネット、SNSにおける求人広告や私たちのようなエージェントを使う方法など様々な手段があります。(求人方法に関してはコチラの記事をご参照ください)

求人を見た候補者から 問い合わせや応募があり、その後CV/Resumeのチェックや対面/オンライン面接を経て、採用オファー、契約書を締結しビザの申請、というのが主な流れです。

同じ国内の他の店舗で働いていて、かつ就労可能なビザを所持している日本人シェフを採用できれば勤務開始までスムーズですが、多くの場合、日本や他国からの採用となるため、勤務開始まではある程度の時間は覚悟しておいてください。

まず、求人スタートから候補者との契約書の締結までが平均すると2~6カ月、その後、ビザの書類の準備に1カ月程度の時間は必要となります。就労ビザの申請から許可までは国によっても異なりますが、2週間~1年程度かかる場合もあります。

国によっては、短期滞在ビザでいったん入国後に就労ビザを申請し、その間に家探しや生活の準備を整えてもらうという事も可能です。

日本人シェフはなかなか退職できない?

日本の労働法上では期間の定めのない雇用契約の場合、退職の2週間前までに退職届を出せば退職できることになっていますが、人手不足の日本の飲食業界において、2週間前の通知での退職は非常に難しいのが実情です。みなさんが欲しがる人材は、現在の勤務先としても必要な人材であり慰留される可能性が高く、日本では退職時にできる限りお店側の迷惑をかけないようにすべきという暗黙のルールもあります。日本人シェフが退職まで時間がかかることに驚かれる方も多いのですが、日本独自の習慣としてご理解頂ければと思います。

2. どのタイミングで日本人シェフを呼ぶべきか?

日本料理店の立ち上げの場合、店のコンセプト作りや店舗の選定などの初期段階から参加してもらう場合と、ある程度開店準備が整ったタイミングで参加してもらう場合の2パターンが考えられます。

初期段階から参加してもらう場合

開業の2カ月~1年ほど前から、お店のコンセプト作り、食材の仕入れルートの確保、競合店の調査、店舗ロケーションの選定、店舗のデザイン、キッチン器具の選定、メニュー作成などの開業準備を、立ち上げ経験のある日本人シェフとともに作り上げていくケースです。

労働契約を結ぶまでは、コンサルティング契約を結んだうえで相談に乗ってもらう形が一般的です。オンラインでの相談も可能ですが、お店のイメージをちゃんと共有するためにも、開業前の早い段階で一度来訪してもらうことをお薦めします。

開業準備が整ってから参加してもらう場合

お店の内装工事や営業許可、メニュー、ローカルスタッフの採用などある程度目途がついた段階から日本人シェフに参加してもらう場合でも、最低でもオープンの1カ月ほど前には入国してもらうことが理想です。

3. 立上げ料理長として相応しいシェフの能力・ペルソナとは?

日本料理店の立ち上げを行う上で、立上げ料理長として相応しいシェフの能力・ペルソナとして、以下の点が挙げられます。

店舗立ち上げの経験

店舗の立ち上げ経験のある方であれば分かると思いますが、店舗の契約、内装工事、飲食業の許可、お酒の販売許可、メニューの開発、仕入れ先の選定、スタッフの採用と教育などなど、オープンまでにやるべきことは山のようにあります。これらを段取りよく処理していくには店舗立ち上げ経験のある方が望ましいでしょう。

トラブルに対する柔軟性

店舗の立ち上げにおいて、予定通りに準備が進むことはまずありません。内装工事の遅れ、お酒の販売許可が取れない、予定していた食材が手に入らない、などのトラブルが少なからず起きます。トラブルに動じず柔軟に対応できる方が立ち上げ料理長としてふさわしいといえます。

ローカルに愛される味とサービスへの理解

日本食材とローカル食材を使って、日本人スタッフとローカルスタッフが調理し、サービスし、共に作り上げていくお店において成功するためには、日本らしい日本料理へのこだわりも必要ですが、一方でローカルに愛される味とサービスへの理解も必要です。店舗のあるエリアの日本料理店で働いた経験がある方が理想ですが、なかなか見つけることは難しいと思いますので、少なくとも積極的にローカルの好みを理解し近づこうとする姿勢のある方が望ましいでしょう。

チームビルディング力

お店がある程度軌道に乗るまでの大変な時期は、スタッフに負荷がかかることも多く、この時期のスタッフたちが高いモチベーションを維持できるかどうかが、その後のお店の成功を左右するといっても過言ではありません。仕事への姿勢や情熱、スタッフを育てたいという思いを言葉やボディランゲージを含めて上手く伝え、スタッフ一同をまとめていくチームビルディング力が立ち上げ料理長には求められます。

新店舗の立ち上げの場合、料理長にふさわしい人物を見つけ採用確定後も、店舗の状況に関する細やかな情報共有が必要となります。またお店によっても、候補者にとっても最良のタイミングで参加してもらうためにも、スケジュール管理に慣れている私たちにご相談いただけると幸いです。

4. 採用に困ったら?

「日本人寿司職人に向けた自分の店のアピールポイントが分からない」
「こんな人材採用したいのですが、どうやっていいかわからない」
「以前自分たちで採用活動して失敗したので、今回は人材会社で本当に良い寿司職人を見つけてほしい」
「日本語ができるスタッフがいないので、日本人採用業務を丸投げしたい」

など採用に困りごとがありましたら、和食エージェントにまでお気軽にご相談ください。

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