おまかせ鮨店が次々に参戦する「高級立ち食い鮨」とは?

1. 高級鮨店の立ち食い鮨業界への参戦状況

2020年3月以降、新型コロナウィルス感染に伴う入国制限により、外国人旅行者が入国できない状況が2年以上続いてきました。この間、日本人の鮨通の間で新しい鮨のトレンドが生まれつつあります。東京を代表するような平均客単価2~3万円のおまかせ鮨店が、次々に高級立ち食い鮨という新業態を開店し、大ヒットしているのです。

大きな転機は2021年2月におまかせ鮨店 鮨龍尚が、新橋に立ち食い鮨 あきらをオープン。龍尚ではおまかせで26,000円のところ、あきらでは高級店の味が一貫380円~880円程度で予約なしで気軽に食べれるということで注目を浴び、瞬く間に人気店になりました。2021年12月にはミシュランガイド2022東京においてビブグルマンを獲得し、海外の鮨通からも注目されつつあります。

また、上海、ハワイ、ロサンゼルス、ニューヨークなどに出店しているおのでらが、2021年10月に立喰鮨 銀座おのでら本店を表参道にオープン。そして、おまかせコース22000円の鮨 りんだが2021年10月に立ち食い寿司 ブルペンを、おまかせコース27500円の秦野よしきが2022年1月に立喰鮨となりをオープンさせ、人気店となっています。

2. ファーストフードだったはずの立ち食い寿司の高級路線

寿司が発祥したのは200年ほど前ですが、当時の寿司は屋台で売られ、庶民が立ったまま食べるファーストフードでした。現代でも立ち食いの寿司店は人気で、1貫100円~400円程度でアラカルトで好きなネタを注文し、気軽に食べる事ができます。

庶民をターゲットとし、客単価1,000円~2,000円程度だった立ち食い寿司業態に、鮨通をターゲットにし、客単価5,000円~10,000円の高級立ち食いという新ジャンルが生まれたことも話題になりました。

また、一部の高級立ち食い店では、好きなメニューが頼めるアラカルト方式ではなく、決まったメニューを提供するおまかせのコースメニューでも提供しており、新しもの好きの好奇心を上手くつかんでいるようです。

3. 高級鮨店が立ち食い鮨に参戦し始めている理由

では、なぜ高級鮨店が立ち食い鮨に参戦し始めているのでしょうか。

まず1点目は、ここ数年の鮨バブルとも言われるおまかせ鮨店のブームにより、人気店の予約が取りづらくなっていたこと。2~3か月先まで予約が一杯という事も多く、気軽に鮨を食べたいという顧客側のニーズを掴み切れていなかったため、予約なしで入れる立ち食い業態の人気に火がついたと言えます。

2点目として新型コロナウィルスの影響で外国人観光客が激減したり、ビジネスの接待需要も減少したことにより、その打開策として新しい顧客を開拓するべく新業態に挑戦しているのではないかと考えられます。

3点目としては、本店では大将や二番手がカウンターにいるため、なかなか人前で握る経験がない若手に対し、立ち食い店を任せることにより、寿司職人としての成長の機会を与えることができるというメリットがお店側にあるという点が挙げられます。

4. 高級立ち食い鮨は海外でもトレンドになる?

日本で注目を浴びている高級立ち食い鮨ですが、今後、海外でも受け入れられるのでしょうか。

前述の通り、日本において寿司はファーストフードとして始まり、その後高級化していったという歴史があるため、日本人にとっては15分で気軽に食べる立ち食い寿司も、2時間のおまかせコースで食べる寿司も受け入れるマーケットができています。一方、他の国では寿司はファインダイニングで食べるイメージも強く、立ったまま高級鮨を食べる文化を定着させるのは難しいかもしれません。

日本では同じ立ち食い業態としてステーキを提供するレストランも、コスパがいいと人気を博しましたが、同業態の「いきなりステーキ」は立ち食いステーキ店を海外にも定着させると意気込み2017年にニューヨーク進出後、日本式の立ち食いが不評となり、すぐに椅子を用意したものの結局定着せずに全店舗撤退を余儀なくされています。

一方、香港やシンガポールなど在留日本人が多い都市には、日本と同様の立ち食い寿司店があり、2022年1月にはホーチミンの日本人街にも立ち食い寿司店がオープンしています。

かつて、麺をすする音が気になると欧米人に指摘されて不評だったラーメンも、今では音をたてて食べる習慣が根付き全世界で流行していることを考えると、いつかは日本式の高級立ち食い鮨店が海外で受け入れられる日もくるのかもしれません。

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