日本人料理人が海外で働く方法:就労ビザ・ワーキングホリデー・留学の3つの道と、未経験・懐石の場合(2026年)

日本人の料理人が海外で働く道は3つです。①現地の雇用主が申請する就労ビザ、②ワーキングホリデー(協定のある国・地域で、年齢の条件つき)、③留学や研修のビザ。料理人として長く働くなら①が中心で、制度の名前と条件は国ごとに違います。この記事では、その3つの道を公的な情報で説明し、未経験の場合と、懐石・割烹の料理人の場合に分けて答えます。国ごとのビザの中身は、当社の国別の求人ページにまとめてあります。

日本人シェフが海外で働くにはどうすればいいですか?

海外の店で料理人として働くには、その国の政府が認める在留資格が要ります。道は3つあり、料理人として長く働く道は「雇用主が申請する就労ビザ」が中心です。

① 雇用主が申請する就労ビザ

現地の店が雇用主として申請し、料理人本人は日本の大使館や領事館でビザを受け取る形です。国によって制度の名前も、雇用主に求められる条件も違います。例を4か国挙げます。

  • シンガポール:人材省(MOM)の Employment Pass か S Pass。雇用主が申請し、年齢に応じた最低給与があります(国別ページの要点)。
  • フランス:雇用主が先にオンライン(ANEF)で労働許可を取り、そのあと本人が長期滞在ビザ(VLS-TS)を申請します(国別ページの要点)。
  • アメリカ:ワーキングホリデーが無く、日系の店なら E-2、永住前提なら EB-3 など、雇用主の手続きを伴うビザだけです(国別ページの要点)。
  • カナダ:雇用主の手続きを伴う就労許可か、ワーキングホリデー(International Experience Canada)です(国別ページの要点)。

共通しているのは、「店が先に動く」ことです。だから、就労ビザで海外に出るには、ビザを出せる店の求人に応募するのが近道です。当社の求人は、雇用主がビザを申請する前提のものを載せています。

② ワーキングホリデー

外務省によると、日本とワーキングホリデー協定を結んでいるのは32か国・地域です(令和8年4月1日現在)。申請できる年齢は18歳以上30歳以下が基本で、オーストラリア・カナダ・韓国・アイルランドは18歳以上25歳以下(各国が認める場合は30歳以下まで)。休暇が目的の滞在で、その資金を補うための付随的な就労が認められる制度なので、働ける職種や同じ雇用主のもとで働ける期間が相手国によって制限されることがあります。滞在できる期間は国ごとに違い、イギリスは最長2年です。

協定のある国・地域:オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、英国、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、アルゼンチン、チリ、アイスランド、チェコ、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ、ウルグアイ、フィンランド、ラトビア、ルクセンブルク、マルタ、イタリア(出典:外務省 ワーキング・ホリデー制度)。

料理人にとっての使い道は、「まず現地で働き、店が気に入れば就労ビザに切り替える」ことです。切り替えができるかどうかは国によって違います。イギリスは今、料理人の新規のスポンサーがなく、オーストラリアは同じ雇用主のもとで働ける期間に上限があります。詳しくは当社の ワーキングホリデーで日本人料理人を雇うには(6か国のルール)をどうぞ。雇用主向けの記事ですが、料理人側が知っておくべき期限と条件が同じです。

③ 留学・研修

例として、アメリカには研修のための J-1 ビザ(Trainee)があり、対象分野にホスピタリティと観光が含まれます。要件は、高等教育機関の学位か専門資格と1年以上の関連する職務経験、または5年以上の職務経験。ホスピタリティ分野の研修は最長12か月で、週32時間以上のフルタイムです。公式ページには、通常の雇用や労働の目的でこの制度を使うことは固く禁じられていると明記されています(出典:J-1 Visa: Trainee、期間は 22 CFR 62.22)。

留学や研修のビザは、学ぶことが目的で、通常の雇用には使えません。海外の調理学校に通ってから現地で就職する道はありますが、就職の段階で①の就労ビザが必要になります。

未経験でも海外の日本食レストランで働けますか?

働ける道はありますが、就労ビザの求人はほとんどが経験者向けです。未経験なら、ワーキングホリデーで現地の経験を作るか、日本で経験を積んでから応募するか、海外展開している日本のチェーンの採用に応募するのが現実的です。

  • ワーキングホリデーで現地の日本食店で働く。年齢と協定国の条件はありますが、雇用主の手続きが要らないので、未経験でも入口になります。
  • 日本で2〜3年の経験を積む。海外の就労ビザは「経験年数」や「技能」を雇用主が説明する必要があり(例:アメリカの EB-3 は2年以上の訓練か経験)、経験があるほど店が申請しやすくなります。
  • 海外展開している日本のチェーンの採用に応募する。本部が海外勤務の採用を公式に出している会社があります。

公式の採用ページで海外勤務に触れている会社の例です(各社の公式ページで、当社とは関係がありません。募集の有無は時期で変わるので、応募前に必ず各社のページで確認してください):

  • 一風堂(力の源ホールディングス):職種の一つに「海外事業」があり、海外店舗にマネージャーとして赴任し、物件探しから現地スタッフの採用・教育、店舗運営まで担うと説明しています。FAQでは語学は必須でないと明記。
  • 吉野家:採用サイトで「日本から海外で働きたいと願う人に、その舞台をつくりたい」と海外勤務の希望者を募っています。海外専用の募集ページはなく、通常の新卒・中途の応募から。募集要項は学歴・経験不問。
  • 大戸屋:総合職の仕事の中で「海外勤務や海外店舗の立ち上げに関わることも可能です」と記載。海外専用の募集ページはありません。

当社の求人は調理の経験がある方が中心です。未経験の方は、上の3つの道のどれを選ぶかを決めてから、無料の転職相談で現在地を話してください。どの道が合うかは、年齢・経験・行きたい国で変わります。

懐石料理人が海外で働くにはどうすればいいですか?

懐石・割烹の料理人は、海外の高級店やホテルの日本料理部門で、料理長や副料理長として求められています。道は寿司職人と同じく就労ビザが中心です。経歴がはっきりしているほど、店はビザの申請で本人の技能を説明しやすくなります。

当社の公開求人にも、懐石・割烹・会席の料理長や副料理長の募集があります。これまでに掲載した国は、アメリカ、シンガポール、タイ、オーストラリア、スイス、香港、オランダ、台湾、韓国、中国などです。求人一覧で「懐石」「割烹」と検索すると、募集中と募集終了の両方が見られます。募集中の例:

海外の日本食レストランは、農林水産省のガイドラインによると2023年10月時点で約18万7千店あり、10年前の約5万5千店から約3.4倍に増えています。農林水産省には海外における日本料理の調理技能認定制度(農林水産省)(ゴールド・シルバー・ブロンズの3段階)もありますが、これは海外の外国人料理人を対象にした制度で、日本人料理人向けの資格ではありません。日本で修業した懐石の料理人は、資格ではなく、働いた店・年数・担当した持ち場で技能を示すのが普通です。就労ビザの申請でも、雇用主はこの経歴を使って本人の技能を説明します。

懐石の料理人が海外で求められるのは、献立の組み立て、だしと季節の扱い、器と盛り付けです。英語は最初から流暢である必要はありません。給与は国と店で大きく違うので、海外で日本人料理人を雇うときの給与相場(6か国)を目安にしてください。

当社で海外の求人に応募するには

  • 無料登録(経歴・行きたい国・時期を登録)
  • 担当者との面談(日本語)。希望と経験から、就労ビザの出る求人を選びます
  • 店とのオンライン面接。原則として通訳が付きます
  • 内定後、雇用主がビザを申請。当社が本人の書類をそろえ、渡航までの日程を管理します

登録・相談・紹介は無料です。費用は雇用主が負担します。

よくある質問

日本人シェフが海外で働くにはどうすればいいですか?

道は3つです。①現地の雇用主が申請する就労ビザ ②ワーキングホリデー(協定32か国・地域、18歳以上30歳以下が基本)③留学・研修。料理人として長く働くなら①が中心で、ビザを出せる店の求人に応募するのが近道です。国ごとの制度は当社の国別求人ページにまとめています。

未経験でも海外の日本食レストランで働けますか?

就労ビザの求人はほとんど経験者向けです。未経験なら、ワーキングホリデーで現地の経験を作る、日本で2〜3年の経験を積む、海外展開している日本のチェーンの採用に応募する、の3つが現実的です。

懐石料理人が海外で働くにはどうすればいいですか?

海外の高級店やホテルの日本料理部門で料理長・副料理長として求められており、道は就労ビザが中心です。経歴がはっきりしているほど、店はビザの申請で本人の技能を説明しやすくなります。当社の公開求人にも懐石・割烹の募集があります。

出典(2026-10-16確認)

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