オーストラリアで日本人料理人を採用・定着させるには:ビザ・給与・定着(2026年版)
本ガイドは、日本から日本人料理人を採用する前に、オーストラリアの飲食店オーナーから和食エージェント(Washoku Agent)へ最も多く寄せられる質問にお答えするものです。給与の目安は和食エージェントが扱ってきた求人に基づき、ビザに関する事実は政府の公式ページで2026-10-08に確認したものです。
オーストラリアの日本人料理人の年収はいくらですか?
和食エージェントがオーストラリアで扱ってきた求人では、日本人料理人の募集時の年収パッケージは円換算でJPY 600万〜1,100万が中心で、ヘッドシェフやおまかせ業態の上位職ではJPY 1,100万前後に達します。現地通貨では、最近の提示額は年間AUD 70,000〜80,000程度です。これらは募集時点の提示額であり、最終的な条件は都市、業態、経験年数によって変わります。
400万600万800万1,000万1,200万1,400万
オーストラリアで日本人料理人を採用しているのは、どの職種・業態ですか?
オーストラリアでの需要は、いくつかの職種と業態に集中しています。ヘッドシェフとスーシェフのポジションが大半を占め、寿司とおまかせの業態が最も多く、次いで懐石とモダン和食が続きます。
ヘッドシェフスーシェフジュニアシェフ
懐石おまかせ寿司焼肉居酒屋懐石・おまかせ和牛ファインダイニング
日本人料理人に英語力は必要ですか。住まいは提供されますか?
当社の求人のほぼすべてで、初級レベルの英語が認められていました。オーストラリアの雇用主は、一般に調理技術と経験を重視しており、厨房の英語は働きながら身につきます。求人の約半数には住居または住宅手当が含まれていました。含まれない場合でも、雇用主が着任前に住まい探しを手伝うのが一般的です。
オーストラリアの飲食店が日本人料理人をスポンサーできるのは、どのビザですか?
オーストラリアの飲食店が日本人料理人をスポンサーできるビザは?
Skills in Demand ビザ(サブクラス482)のCore Skills ストリームです。Chef(ANZSCO 351311)とCook(351411)は、どちらもCore Skills Occupation Listに含まれています。永住権は、のちにEmployer Nomination Scheme(サブクラス186)のTemporary Residence Transitionストリームで取得できます。
ノミネーションの前に、雇用主は何をする必要がありますか?
承認スポンサーとなり(AUD 420)、ノミネーションを申請します(AUD 330)。労働市場テストでは通常、過去4か月以内に4週間以上の求人広告を2回出す必要がありますが、日本国籍者はオーストラリアの国際貿易上の義務により免除されます。雇用主はSkilling Australians Fund賦課金も負担します。年間売上高がAUD 1,000万未満の事業者は査証期間1年あたりAUD 1,200、それ以上の事業者はAUD 1,800で、従業員に転嫁することはできません。
最低給与はいくらですか?
Core Skills Income Thresholdは、2026年7月1日〜2027年6月30日に申請されるノミネーションで年額AUD 79,423です。加えて、提示額は当該職種の年間市場給与水準にも合致している必要があります。この基準額は毎年7月1日に指数調整されます。
料理人本人の負担額と、滞在できる期間は?
482 Core Skills ビザの申請料はAUD 4,015から、186永住ビザはAUD 6,140からです。482ビザは最長4年で付与され、関連する実務経験が1年以上必要です。スポンサー企業でのフルタイム勤務が2年に達すると、186のTemporary Residence Transitionストリームで永住権のノミネーションを受けられます。
この項で参照した公式情報(2026-10-08確認)
- Department of Home Affairs:Skills in Demand ビザ(482)Core Skills ストリーム
- Department of Home Affairs:労働市場テスト
- Department of Home Affairs:スポンサーにかかる費用
- Department of Home Affairs:給与要件
- Department of Home Affairs:Core Skills Occupation List(職業リスト)
- Department of Home Affairs:Employer Nomination Scheme(186)TRTストリーム
オーストラリアの飲食店は、日本人料理人をどこで見つけていますか?
オーストラリアは、このシリーズの国々の中で、現地で日本人料理人を採用しやすい市場です。ワーキングホリデーの人口が多く、日本語メディア2媒体が毎週シェフの求人を掲載しているためです。難しいのは、今後6か月の料理人を見つけることではなく、3年間働き続けてもらうことです。
和食エージェントは、これらのチャネルと並ぶ専門ルートです。日本人料理人の登録者プールを保有し、技術と渡航意欲を確認したうえでご紹介し、面接の通訳と各種手続きを担当します。オーストラリアのオーナー様の多くは、現地のチャネルを1つか2つ並行して使い、現地で見つからない料理人について当社をご利用になっています。
日本から採用するか、オーストラリア国内で採用するか?
18〜30歳の日本国籍者は、ワーキングホリデービザ(サブクラス417)を取得できます。期間は12か月で、滞在中はずっと就労できますが、同一の雇用主のもとで働けるのは通常6か月までです。厨房の中核戦力として長く雇う場合は、雇用主がSkills in Demand ビザ(482)でスポンサーします。ChefとCookはどちらもCore Skills Occupation Listに掲載されており、日本国籍者はオーストラリアの貿易上の義務により労働市場テストが免除されます。
- ワーキングホリデー(417):18〜30歳の料理人が対象で、期間は12か月、スポンサーは不要です。同一の雇用主のもとで働けるのは6か月までですが、業務上不可欠であるとして内務省(Home Affairs)が許可した場合は除きます。
- Skills in Demand(482):Chef 351311はCore Skills Listに掲載されており、日本国籍者は労働市場テストが免除されます。提示する条件は、A$79,423の所得基準額を満たし、かつ市場給与水準にも合致する必要があります。
- 日本で修業した寿司職人や懐石の料理人から、幅広く選べます。オーストラリアの給与は日本と比べて魅力的で、オファーの追い風になります。
- 482の手続きと日本での退職予告期間に、4〜8か月を見込んでください。
- すでにワーキングホリデービザでオーストラリアにいる日本人料理人は、JAMS.TVやNichigo Press経由で数日以内に勤務を始められます。広告の多くも、まさにこの層に向けて書かれています。
- 6か月の上限があるため、ワーキングホリデーでの採用はあくまでお試しであり、根本的な解決にはなりません。482への切り替えは、初週から計画しておく必要があります。
- SEEKやIndeedにはオーストラリア在住の調理師が多数いますが、日本料理の修業経験者は少なく、若手シェフを募る現地の広告には応募が1件もないと話すオーナーもいます。
- すでに国内にいる料理人なら試用シフトを実施でき、これがオーストラリアの日本食レストランのオーナーが好む採用方法です。
オーストラリアでの採用でよくある課題と、料理人に定着してもらう方法
オーナーや料理人が公の場で語っている言葉を、そのままご紹介します。
“I actually just recently lost a chef myself because I wasn’t in a position in either of our businesses to sponsor them on that salary”(日本語訳:実は最近、私自身も料理人を1人失いました。その給与でスポンサーできる状況に、どちらの店もなかったからです)Simone Douglas(アデレードのDuke of BrunswickおよびPort Admiral Hotelのオーナー)、CityMag、2024年11月
“if we put the adverts in the paper to seek young chefs, we don’t get a single applicant.”(日本語訳:若いシェフを探して新聞に広告を出しても、応募者は1人も来ません)Billy Crombie(ビクトリア州のBabaji’s Kerala Kitchen共同オーナー)、Upper Yarra Star Mail、2024年5月
“Stop the talking. Get in the kitchen. I just want to see his passion and his technique first,”(日本語訳:話はもういい。厨房に入ってください。まず、その人の情熱と技術を見たいのです)Hideki Hayashi(パース・Subiacoの日本食レストランのオーナー。採用方法について)、ABC News、2022年7月
✓ 初日から、所得基準額と市場給与水準を踏まえた条件にする
✓ ヘッドシェフへの昇進と、2年後の186永住権への道筋を文書で示す
✓ シドニーまたはメルボルンでの最初の賃貸契約を支援する
✓ 年1回の日本への往復航空券を条件に含める
この項の出典(2026-10-08確認)
- Australian Embassy Tokyo:ワーキングホリデービザのFAQ(18〜30歳、12か月)
- Home Affairs:同一雇用主のもとで6か月を超えて働く許可(条件8547)
- Home Affairs:Skills in Demand ビザ、Core Skills ストリーム
- Home Affairs:労働市場テスト(日本国籍者の免除)
- Home Affairs:Core Skills Occupation List(職業リスト)
- VETASSESS:Chef 351311 の技能評価に関する情報シート
- Australian Hotels Association:調理師・シェフの見習い奨励策に関する書簡(2025年12月)
- AccomNews:AHAによるシェフ求人数と見習い減少についての発言(2026年2月)
- SaCSA:Jobs and Skills Australia 2025 Occupation Shortage List(Chefの地方不足)
- CityMag:飲食店オーナーはシェフ不足にどう対処しているか(2024年11月)
- Upper Yarra Star Mail:飲食店が熟練シェフのビザ選択肢を要望(2024年5月)
- ABC News:シェフは戻ってきたが人手不足の解消には至らない可能性(2022年7月)
- JAMS.TV:シェフ求人情報
オーストラリアの飲食店は、和食エージェントを通じてどのように日本人料理人を採用しますか?
よくある質問
オーストラリアの飲食店は、まだ日本にいる日本人料理人を採用できますか?
はい。雇用主がビザのスポンサーとなり、和食エージェントが人材の探索、スクリーニング、渡航前の手続きを担当します。ルートと公式情報は、上記のビザの項をご覧ください。
オーストラリアで日本人料理人の給与は、いくらに見込むべきですか?
和食エージェントがオーストラリアで扱ってきた求人では、日本人料理人の募集時の年収パッケージは円換算でJPY 600万〜1,100万が中心で、ヘッドシェフやおまかせ業態の上位職では JPY 1,100万前後に達します。現地通貨では、最近の提示額は年間AUD 70,000〜80,000程度です。これらは募集時点の提示額であり、最終的な条件は都市、業態、経験年数によって変わります。
和食エージェントは料理人から費用を取りますか?
いいえ。料理人の登録、相談、ご紹介は無料です。採用サービスの費用は雇用主がお支払いいただきます。
全体でどのくらい時間がかかりますか?
初回相談から料理人の着任まで、ビザのルートや審査期間にもよりますが、通常は4〜8か月です。